前との差がわかりやすい周回コース
昨年までは埼玉県庁から熊谷スポーツ文化公園陸上競技場までのワンウェイコースだったが、今年の東日本実業団駅伝は公園内の特設周回コースで行われる。全区間が同じコースを走り、距離だけが違う。篠原は「どの区間でも行けます」とチームスタッフに伝えているが、「個人的にはエース区間(3区)を走ってみたい気持ちはあります」と言う。
周回コースといっても折り返しがあり、鋭角なものも含めコーナーも多く、短いアップダウンもある。コロナ禍の20年と21年に同コースで実施されたことがあり、2年とも富士通は優勝している。富士通の高橋健一監督は「前との差がわかりやすいコース。ワンウェイの駅伝より接戦になる可能性がある」と言う。
篠原は昨シーズンの学生駅伝で同学年ライバルたちと、熾烈な戦いを繰り広げてきた。10月の出雲全日本大学選抜駅伝では6区で区間3位。このときは平林が区間賞で、篠原と太田が36秒差の同タイムだった。11月の全日本大学駅伝は7区で篠原が区間賞、10秒差の同タイムで平林と太田が区間2位。そして今年1月の箱根駅伝2区は区間2位の吉田が区間日本人最高記録をマークし、篠原は31秒差の区間4位、平林が篠原から24秒差の区間8位だった。
全日本大学駅伝の7区が、直線コースだが前が見えなかったと篠原は言う。「5位でタスキを受けて3位まで上がったのですが、(中継時に2分半以上差があった)平林選手と太田選手がまったく見えませんでした」。それでも2人を上回って区間賞を取り、篠原の評価を上げた駅伝になった。
 
それに対して箱根駅伝は、「良いイメージがない」という上りのコースに苦戦した。「まとめられたとは思いますが、少ししょっぱい(学生駅伝の)終わり方でした」。ただ上りに関しては「(箱根駅伝2区で)20km近く走ってからあの坂を経験したら、あれよりキツい坂はないと思える」と、東日本実業団駅伝に難しいコースのイメージはない。
実業団になってからは、同学年選手のことはあまり意識しなくなった。「大学は学年に分かれていて、同学年に負けたくない思いがありましたが、これからは世界に挑んでいくので、(学年に関係なく)誰にも負けたくありません」。東日本実業団駅伝でもニューイヤー駅伝でも、区間賞を譲る気は微塵もない。
 
   
  
















