「自分のような宗教2世を生み出したくない気持ちで来た」

――小川さんが顔を出して声をあげるということは すごく覚悟が必要なことでしたでしょうか?
「そうですね。やっぱり顔を出している分 いろんな被害者の言葉とかがすべて自分の言葉のように捉えられてしまう。私の場合は 直接的に献金した立場ではないので、そこがぱっとみて分かりづらい部分というのがどうしてもあって、それで『家庭の問題なのに被害者面するな』みたいな意見などがあって自分へ攻撃が向いてしまうなと感じる部分はありました。教団からの直接なものだったら 10月7日に記者会見したときに自分が精神疾患をかかえているから嘘を述べているというようなことがあって、そこでもすごく 本当に自分の心をずたずたにされた気持ちになった。本当に好き好んで 目立とうとして訴えているわけじゃないのにそういう風に否定されるということはすごくショックでした。でも、この法案で自分が救われる可能性はすごく低いんですね。そこを自分が分かったうえで、今後の被害をなくしたいし自分のような宗教2世を生み出したくないし、その気持ちでやっぱりここまで来れたなと思います」
――やめたくなったことは?
「自分がこどもを生んでなかったらたぶん止めていたと思います。子どもの笑顔とかに 何度も救われたし、だから本当に自分が一番ほしかったのは、親からの無条件の愛だったんですね。全部教会とかそういうもののフィルタ―を通してでしか自分を見てもらえなかったのが一番辛かったという心残りがあった。だから、私の子どもへの愛は無条件だと思っているし、どんなに教会や大勢の人を敵にまわしても、それでも子どもたちに宗教被害を残したくないという気持ちと方向性は間違ってないと最後まで信じていたので、できたと思います」