安倍元総理銃撃事件の裁判はきょうが2日目。当時、現場で安倍元総理の応援演説を受けていた佐藤啓官房副長官が目撃者として出廷し、安倍氏が倒れた時の状況などを証言しました。

記者
「山上被告を乗せた車が奈良地裁に到着しました」

きょうも山上徹也被告(45)は警察などによる厳戒態勢のなか、奈良地裁に入りました。山上被告は3年前、参議院選挙の応援演説に訪れていた安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われています。

きのうの初公判で山上被告は「すべて事実です」などと起訴内容を全て認め、弁護人は、母親が億単位の献金を行うなどしたため家族は分裂を深めていったなどと述べました。

きょうの裁判には、参議院議員で高市内閣の官房副長官を務める佐藤啓氏が出廷。佐藤氏は事件当時、安倍元総理の応援演説を受けていて、事件を目撃していました。

きょうの法廷で佐藤氏は、安倍元総理の応援演説の日程は直前に決まったと証言。そのうえで銃撃された直後の安倍氏の様子について、こう話しました。

佐藤啓 参院議員
「私が振り返った時点で倒れていたので『総理!総理!』と声をかけた。(安倍元総理が)地面に倒れて目は開いていたけども一見して厳しい状況だった」

検察官
「反応は?」

佐藤啓 参院議員
「なかった。なんでこんなことが起きたのか、大きな声を出した。怒りと悲しみで涙を流した。私の応援で銃撃されて亡くなった。私のせいで安倍先生が亡くなった。自責の念に堪えない。昭恵さん、安倍家などに大変申し訳ない」

また、事件そのものについて…

佐藤啓 参院議員
「国政選挙というのは民主主義の根幹で、言論を暴力によって封殺する民主主義に対する挑戦で、許すことはできない。たくさんの聴衆がきておられて、周りの方にも危険が及ぶ状況だった」

あすは現場に居合わせた警察官らが証人として出廷する予定です。