円安は「大きな悪影響はない」 見るべきは「水準」「スピード」

ーー円安が進んでいますが日本経済にとってはプラスマイナスどちらが大きいとお考えですか?
(※取材した10月24日の円相場は1ドル=152円台前半~153円程度で推移)
(円安の)水準を考えるのと、スピードを考えるのとは違います。
スピードを考えるときは乱高下するのは企業にとって大変な重荷になります。投資計画が立てられないので。
しかし水準が安定していればそんなに大きな悪影響はないはずなんです。典型的には自動車産業は日本の代表的な輸出産業ですが、これは圧倒的に円安の方が収益も上がります。
既にアメリカに相当投資していますから、ドル建ての収益を円に換算すると相当の利益の増大になり利益が上がる。そうすると賃金も上げられると。
一時期デフレの真っ最中も含めて、投資がなかなか盛り上がってこないときに、輸出産業は結構投資してくれました。今後も世界中の最先端の自動車企業が競争していますからそこは積極的に投資をしていくということで、円安というのは世界のマーケットと日本の投資を結びつける非常に良いきっかけになり、それが賃金の上昇に結びつくということです。
それから先ほど繰り返しですけど、積極的に投資をしている企業は輸出企業が多いということで、輸出企業のけん引力というものは大事だと思いますね。
ーー最近は150円前後くらいでの推移ですがこれくらいの水準であれば、プラスの面が大きいということですか?
私はそう思います。今のようなレベルで安定していればメリットは大きいと思います。
ただし未来永劫そうなるというわけではなく、基本的に為替レートは金利差で決まります。
もしこれまでに比べて国内経済も回復してもし金利が上がってくる気配があれば、金利差が縮まって円高の方向に行くので、一般的にはこれからどんどん円安が進むとは思えないですけどね。














