秋の京都 隠れた穴場スポット

 こうした観光客の“分散”は京都市も推進していて、「とっておきの京都プロジェクト」と題して、京北・高雄・西京・大原・山科・伏見の6エリアを推しています。

【各エリアの名所】
京北・魚ヶ渕(うおがぶち)吊り橋
高雄・神護寺(じんごじ)
西原・善峯寺(よしみねでら)
大原・寂光院
山科・毘沙門堂
伏見・藤森(ふじのもり)神社

 中でも秋の注目スポットは高雄。京都市右京区にある栂尾山・高山寺(とがのおさん・こうさんじ)という世界遺産の寺では、境内に200~300本のモミジがあり、国宝「石水院」から眺める紅葉の景色が非常に人気です。

 例年見ごろは11月中旬~下旬。JR京都駅からJRバスに乗って約55分でアクセスできるということです。

京都市民の不満1位は「市バスの混雑」

 こうした穴場スポットなどへ“分散”することで、観光客が楽しむことができる環境が生まれている反面、京都市民の不安は残っています。

 京都市民に観光課題についてアンケート調査をしたところ、回答割合が一番高かったのが「市バスの車内の混雑」(31.6%)でした。24.1%が挙げた「マナー問題」をめぐっては、私有地に入って写真撮影を行う観光客に住民らが苦悩するなどの問題も生じています。

【京都市民に意見募集した観光課題】(京都市資料より)
市バスの車内の混雑:31.6%
市バスの乗り場の混雑:6.2%
観光客のマナー問題:24.1%
特定の観光地への集中:11.7%
道路の混雑:9.8%
ごみ問題:5.1%
観光バスの路上駐車・停車:4.4%
その他:7.1%

京都市の宿泊税が「最高1万円」に!?

 そうした中、来年3月から京都市の宿泊税の引き上げ開始という新しい動きもみられます。

 宿泊税とは自治体が独自に課税するもので、例えば京都市では、市内の宿泊施設に泊まる人に対して宿泊料金に応じて以下の税額を徴収しています。

【京都市の宿泊税 ※現行】
2万円未満(宿泊料金):200円
2万円~5万円未満:500円
5万円以上:1000円

 これが来年3月からは、以下の額に引き上げられます。

【京都市の宿泊税 ※引き上げ後】
6000円未満:200円
6000円~2万円未満:400円
2万円~5万円未満:1000円
5万円~10万円未満:4000円
10万円以上:1万円

 この引き上げにより、去年61.6億円だった宿泊税収は、約2倍の年間126億円になる見通しだということです。