回転寿司で究極の“省人化” ロボットも大活躍
ところが、今から30年前の1995年。影が忍び寄っていました。それが「働き手の減少」です。
それまで増加していた労働人口が、この年をピークに初めて減少に転じたのです。

そこから“省人化”が大きなテーマとなりました。配膳の主役はロボットに。
どれくらい活躍しているのか。通路を通る回数を数えてみると、1時間半でロボットが5回。従業員は1回でした。
片付けや接客は従業員がロボットと役割分担しています。
慢性的な人手不足の時代をどう生き抜くのか。誕生から究極の進化を遂げた外食があります。それは「回転寿司」です。
2020年にオープンした最新の店舗「くら寿司グローバル旗艦店 浅草ROX」に行ってみると、従業員の「いらっしゃい!」はなく…
窪田ゆき 記者
「たくさんお客さんがいるのですが、店員さんはあまりいる印象はないです」
案内はされず、少し不安を感じつつも、番号の席を探し…
結局、入店してから誰とも会話することなく、席にたどり着いてしまいました。
注文したネタは、従業員を介さず高速で届きます。もはや“究極の省人化”を実現しています。
1997年の回転寿司店の厨房には、確認できただけでも職人が5人います。
レーンには寿司が隙間無く敷き詰められ、回っていました。
今の注文は、全てタッチパネルです。
今回、厨房に入る許可を特別にもらい、作業を見せてもらいました。
くら寿司 小坂博之さん
「実際にこういう風に作業するのは、もう10年以上前のことになるので…」
10数年ぶりに厨房に入った小坂さん。でも、今も現役かのような手際の良さです。
それもそのはず。作業が超~簡単なんです!
実際に時間を測ってみると…
くら寿司 小坂博之さん
「今サーモンが『2』となってますので、実際にサーモンを2皿作ります」
あらかじめ切り分けられたネタを冷蔵庫から取り出し、機械で作られたシャリに乗せるだけ。かかった時間、わずか13秒。

作業の効率化を進めたことで、創業時40種類程度だったメニューが、最大200種類にまで増えたといいます。
くら寿司 小坂博之さん
「どうしても人件費が高騰しているし、人手不足がついてまわるので、いかに従業員が覚えやすい、教育しやすい環境を整えるか。システム化は大きな役目がある」
「物価高」や「人手不足」など外食に吹き荒れる向かい風。
次の30年をどう生き残るのか。企業の知恵と工夫が試されています。














