自然豊かな焼き物の町に新たに誕生した醸造所

焼き物の町として知られ、豊かな自然が広がる福岡県福智町上野地区。

この場所に2025年誕生したのが天郷醸造所です。

地域活性化の一環として福智町が2年前に「酒蔵」を誘致するプロジェクトを立ち上げ、複数の候補の中から審査を経て選ばれました。

製造しているのは一見、日本酒のようですが、ハーブや果物を加えた新しいジャンルの酒「クラフトサケ」です。

社長は約30年町を離れていた男性

2025年3月、完成間近の酒蔵を訪れた中山雄介社長。

これまでに大手通販会社で酒類の販売などに携わってきましたが、小学生まで過ごした福智町のプロジェクトに応募しました。

天郷醸造所 中山雄介 社長
「地元で何かしたいと思っていたんですけど、ただ過疎が進んでいるし、産業がどんどんなくなっていくその寂しさと、何もできないという課題はずっと持っていて、東京でも。たまたまこの誘致事業で僕が今までやってきたキャリアとか、何より使命感とかパッションが乗る事業になりそうだなと思って」


新たなチャレンジのため東京と福岡、2つの拠点を往復するようになった中山さん。

30年ほど離れていたふるさとへの思いにも変化が生まれたといいます。

天郷醸造所 中山雄介 社長
「こんなところに何もないと、未来もないと思っていましたから。それが間違っていて。(仲間と)つながっているなとか、久しぶりに会った人が成長していてすごいなとか、そういう気づきが人間としてすごく大事だと思うんですよ。それを触媒のように支えるお酒であってほしい」