遠く離れた故郷・厳しい冬を迎えたウクライナを想う
イリナさんは自宅でこのごろ、焼きゴテを手に机に向き合う時間が増えました。
ひとつひとつにデザインを焼き付け、木製コースターを作っています。

「ふるさとのために自分にできることがあれば…」という、そんな思いで始めた新しい試みです。

【イリナさん】「ウクライナの病院には、戦闘の激しいところから逃れてきて、けがをしている子どもたちがたくさん入院しています。コースターを作って買ってもらって、集まったお金を病院に送ることで、そういう子たちの助けになればと思って…」
手作りしていたコースターなどの作品を、バザーなどで販売する機会をこれから作りたいと話していました。
小千谷市と新潟県内からの支援に対していつも感謝の気持ちを口にするイリナさんとムタルさん夫婦。自分たちも金銭的には厳しい状況であるにもかかわらず、それでも故郷でもっと困っている人たちを助けるためにと、行動を起こす2人の姿には心を動かされました。

爆撃の危険や停電に悩まされながら厳しい冬を迎えたウクライナ。
イリナさんの両親や親戚、友人たちは今も現地に残り、じっと耐えています。

【イリナさん】「別に特別な瞬間ではないんです。母から習った料理を小千谷市で作っているとき、故郷を離れるときに母が持たせてくれた靴下を履くとき…、そして寝る前。日常の些細な瞬間に、どうしても家族のことを考えてしまいます」

家族がそばにいられる当たり前の日常を、一日も早く。
イリナさんとムタルさんは、ふるさとから8000km離れた小千谷市で、夫婦二人の想いが叶う日を待っています。
