(9)地方と暮らしを守る

(地域未来戦略)
「事を論ずるには、当(まさ)に己(おの)れ の地、己れの身より見(けん)を起こすべし、乃(すなわ)ち着実と為(な)す」

吉田松陰先生の言葉のとおり、地方の活力は、すなわち日本の活力であることを、身をもって知っております。地方が持つ伸び代を活かし、そこに暮らす住民の皆様の暮らしと安全を守ってまいります。

国による一歩前に出た支援の結果、TSMCが進出した熊本県、ラピダスが立地した北海道では、関連する投資が誘発され、様々な経済効果が現れ始めています。こうした事例を、全国各地に次々と生み出していこうではありませんか。

地域を超えたビジネス展開を図る中堅企業を支援し、大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講ずることで、地方に大規模な投資を呼び込み、地域ごとに産業クラスターを戦略的に形成していくことで、「地域未来戦略」を推進します。

テクノロジーや地域資源を活用した付加価値の創出・地域外へのビジネス展開支援、二地域居住を含む関係人口創出、稼げる農林水産業の創出等を通じて、農山漁村・中山間地域をはじめ地方に活力を取り戻します。

また、若者や女性を含めて、地方に住み続けられるようにします。そのためには、質の高い教育をはじめ、必要な行政サービスを受けられるようにする必要があります。税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に向けて取り組みます。

(人口政策・外国人政策)
日本の最大の問題は人口減少であるとの認識に立ち、子供・子育て政策を含む人口減少対策を検討していく体制を構築します。
人口減少に伴う人手不足の状況において、外国人材を必要とする分野があることは事実です。インバウンド観光も重要です。
しかし、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民の皆様が不安や不公平を感じる状況が生じていることも、また事実です。

排外主義とは一線を画しますが、こうした行為には、政府として毅然と対応します。政府の司令塔機能を強化し、既存のルールの遵守を求めるとともに、土地取得等のルールのあり方についても検討を進めてまいります。そのため、新たに担当大臣を置きました。

(治安・安全の確保)
インターネットを悪用した新たな犯罪行為等にも、法規制の強化をはじめとして、厳正に対応していきます。
「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」に掲げられた取組を着実に実施するとともに、法制度を含めた必要な検討を加速し、いわゆるトクリュウの撲滅を目指します。

新たな技術を悪用したストーカー行為等や配偶者からの暴力の被害を防止するため、法規制を強化します。

規制の強化に加え、法制度の時代に即した見直しも進めてまいります。再犯防止のために重要な保護司について、安全確保策の充実を図るなど、制度の持続可能性を高めるための措置を講じます。また、確定した刑事裁判をやり直す再審制度の見直しについて検討を進めます。