<仙台育英vs佐沼>4年連続で同じ顔合わせの決勝に

 翌日の10月19日(日)に行われた宮城県大会決勝は、大会29連覇中の仙台育英と公立高校の佐沼という4年連続で同じ顔合わせとなりました。

 前半、先にチャンスをつかんだのは佐沼でした。立ち上がりの仙台育英の攻撃をしっかりとしたディフェンスで跳ね返すと、5分過ぎからは仙台育英を自陣の22mラインの内側まで押し込んで攻めたてます。

 しかし、仙台育英の分厚いディフェンスの前に、なかなかトライラインに迫ることができません。逆に仙台育英は10分、攻め込んだチャンスを確実にものにします。敵陣22mライン付近のラインアウトから、FW陣がモールをつくって一気に押し込むと、そこから素早く左に展開して、最後はFB・若松健選手がトライ。ゴールも決めて7対0とリードします。

 FWとBKが一体となった狙いどおりのトライで先制した仙台育英、このあと勢いに乗って着実に得点を加えていきます。持ち味のスピードある攻撃で15分、19分、21分と立て続けにトライ、26対0と大きくリードを奪いました。

 一方の佐沼の反撃は22分。キャプテンのCTB・鹿野人和選手が、自陣の深い位置からでも展開しようとした仙台育英のミスを見逃しませんでした。こぼれ球に素早く反応してそのままトライ。ゴールもきめて26対7と追い上げます。

 この後も、仙台育英のBK陣に対して早めにプレッシャーをかけるディフェンスで活路を見出そうとする佐沼。しかし、仙台育英の選手たちは、冷静でした。BK陣が早めに上がってくる佐沼の裏のスペースをついてSO・和田晴澄選手が絶妙な位置にボールを蹴りこみ、これに反応したWTB・小池桜賀選手が、佐沼のディフェンス陣より早くボールを拾い上げて、そのまま左隅にトライ。佐沼の狙いを逆手に取った鮮やかな攻撃で31対7として、再び試合の流れを引き寄せました。