不適切保育に注意・報告なし 県の条例や国の指針に抵触する事実

松原保育園(福岡・田川市)

「職員の一般的要件」および「保育所職員に求められる専門性」に抵触する事実
松原保育園では、保育士が不適切な保育等を行っていることを当該保育士以外の職員も把握していたにもかかわらず、当該保育士への注意や助言が行われず、また施設長等に報告、相談も行われておらず、これらの行為が広がり、深刻化することとなった。

「保育所の社会的責任」に抵触する事実
松原保育園では子供に対する威圧的な態度など子供の人権に配慮した保育が行われておらず、子供の人格を傷つける行為が行われていた。

「職場における研修」に抵触する事実
「子供の人権・人格の尊重に関る保育」の観点での保育の振り返りが不十分であるほか、自己評価結果が職員間で共有されていないなど、子供の人権に配慮した保育を行う組織的な取り組みが十分ではなかった。

「保護者との相互理解」に抵触する事実
保護者アンケートの結果によると連絡帳や保育参観、定期的な保護者会がないため、保育所内での子供の様子が分からず、保育所の保育内容が不透明であると感じている回答が複数あった。
また、一部の保育士から日頃の挨拶がないなど、保護者とのコミュニケーション不足が指摘されており、保護者との相互理解への取り組みが十分でなかった。

「保育の内容」および「養護の理念」に抵触する事実
列挙した事実を踏まえると松原保育園では保育士等による細やかな配慮の下で子供の生命を保持し情緒の安定を図る、という「養護」の理念を踏まえた保育の展開が十分でなかった。