外食ブランドが次々と冷凍食品市場に参入
大阪王将の成功は、多くの外食ブランドが冷凍食品市場に参入するきっかけとなりました。
ロイヤルホストは2019年12月に冷凍食品ブランド「Royal Deli」(現「ロイヤルホスト デリ」)を立ち上げ、2024年には約10億円の売上を達成しました。特徴的なのは、店舗での売上が5割強(※2023年)を占めていることです。
スープストックトーキョーも同様に冷凍食品に力を入れており、EC販売が好調です。特にEC売上のうちギフト需要が全体の60%を占め(※2022年度)、出産祝いなどカジュアルなギフトとして人気を集めています。
冷凍食品市場の中でも特に熱いのが「冷凍弁当」セグメントです。
代表例は2016年創業の冷凍宅配弁当「ナッシュ」です。2025年7月に累計1億3000万食を突破したと発表され、推定月間売上は約20億円に達する(※著者の推定値)とみられます。
ナッシュの特徴は、全メニュー「糖質30g以下・塩分2.5g以下」という明確な健康基準と、500~700円という比較的リーズナブルな価格設定です。
冷凍弁当がEC販売で成功している理由は3つあります。
1. 豊富な品揃え:ECの強みである、50~100種類という多様なメニューを提供できる。
2. 定期購入システム:サブスクリプション方式により、生産と在庫のコントロールが容易。
3. 究極の時短:買い物すら面倒な単身者やリモートワーカーに、健康的な選択肢を提供。