9月、会場は東京・表参道のギャラリーです。4人が制作した布を使った作品や映像作品などが展示されました。

訪れた窪島さんも真剣な表情で作品を見つめます。無言館の絵から、描く人の熱量を感じたという本田さん。画学生たちの熱さを伝えようとサーモグラフィーカメラで筆跡を撮影し、アニメーション作品に仕上げました。


本田夏帆さん:「私は絵画の前に立ったときに、自分の中の感情を投影しながら絵を見ている部分もあるなと感じて、80年も前の学生たちが描いた、残した筆跡を私が今、今になって筆跡を追いかけてみて熱量を感じ取っていたんだと思って」


これまで映像作品や立体作品などを中心に制作をしてきた石井さん。初めて油絵に取り組みました。

石井浩一さん:「描こうと思ったらいつでも描けるし、いくらでも描けるというのを人生で初めて強烈に実感したというか、彼ら(画学生)は限られた時間の中でしか絵を描けなかったというのがあって」

タイトルは、「夢」。


窪島さんとの対話からヒントを得たといいます。

窪島誠一郎館主:「(画学生たちが)どんちゃん騒ぎしてるの、それでお前の絵の横に並ぶ必然性はないとか言って、喧嘩し始めてしっちゃかめっちゃかになる、その夢を1回だけ見たことがある」


石井浩一さん:「窪島さんが見たっていう夢の内容が画学生たちから奪われてしまった青春のひと時を表しているような気がして、素敵なワンシーンだなって思ったので、そのシーンを想像して描いてみようと思って描きました」