この日、もう一つの目的は無言館の館主窪島誠一郎さんから話を聞くことでした。


本田夏帆さん:「窪島さんにとって無言館とはどんな場所ですか?」

窪島誠一郎館主:「もうあの絵の前に立つと、むしろ自分が絵を見てるってよりは、絵に自分が見つめられているという、逆に自分が彼らの鑑賞対象になっているような気がします。彼らの絵が、叫ぶんですよ。本当に、マジで叫ぶんですよ。もっと描きたい、描きたい、描きたい、描きたい…それがすごいんですよ」


画学生たちの「描きたい」という思いが無言館を作るきっかけになったと話す窪島さん。

窪島誠一郎館主:「純粋なんですよ、彼ら。だってあれ依頼を受けて描いた絵なんか一点もないんだよ、一点もない。描きたいもっと描きたい…あのコーラスはすごかった、あれを聞いた時に、これは一つ屋根の下に、同じ境遇の中で散っていった彼らの絵を集めてみたいって」


学生たちは展示会への不安な気持ちも打ち明けました。

平川紗里奈さん:「私もとても未熟だから(展示会)やっていいのかなという気持ちがすごくあって」

窪島誠一郎館主:「きっと彼らは同じ世代のみなさんに、だってみんなと同じくらいの年齢、死んでいったのは、だから絶対伝えたいことはあるし、しかも自分の書き残したもう一つの命ともいえる作品が、ちゃんと同世代の皆さんに伝わるということはめっちゃ喜んでいるんじゃないかな」

およそ1時間半、学生にとっては貴重な時間となりました。

平川紗里奈さん:「ここできたものが全部素直なものだなと思ったからこそ、素直に作るというのが一番いいことかなと思うので、そこと今回訪れた経験をミックスして、しっかり自分たちの素直な表現を追求出来たらいいなと思いました」

戦後80年、今を生きる4人の作品とは。