“一生に一度きり”レモン彗星はエメラルドグリーン?
ーーそもそも彗星とは、どんなものですか?
彗星とは宇宙の氷の玉のようなもので、二酸化炭素、一酸化炭素、その他のガス、そして微量の塵から成ります。普段は、太陽から離れた暗い宇宙にいますが、何かをきっかけに、太陽や地球に近づくときに見えます。

ーーレモン彗星は綺麗なエメラルドグリーンに輝き、尾を引いています。これはレモン彗星ならではの色なのでしょうか?
“ならではの色”ということではなく、彗星の色には、主に緑色と白色の2種類があります。レモン彗星の場合、写真では緑色っぽく写りますが、これは彗星に含まれる炭素を含む成分が分解した生成物が光っているからです。彗星自体はあまり明るくないため、双眼鏡を通してもほのかに緑がかって見える程度になります。
今後、彗星が太陽に近づくにつれて、塵がさらにたくさん放出されることも予想され、塵が太陽光を反射して見える白っぽい色に変化していくことも考えられます。
ーー肉眼で見れる彗星はレアなのですか?見えない彗星の違いとは何なのでしょうか?。
去年、紫金山・アトラス彗星が観測されましたが、肉眼で見える彗星の頻度は高くないので、貴重な機会です。また、ハレー彗星などが有名ですが、あれも周期としては76年ほどなので、人生で2回見れる人はとても限られると思います。
見えるかどうか、ということに関しては彗星の規模が大きいか、小さいかという違いです。また、太陽に近づくかどうかというのもポイントで、太陽に近ければ近いほど、太陽から受ける熱が高く、活発に昇華(固体から液体を経ずに気体になること、ここでは氷からガスになること)するので、彗星として立派な姿になることが多くなります。