記者:被告と最後やり取りをされていたと思うが、どんな話をしていたか?
今村弁護士:この後面会に行くので、その話とか。
あと判決文を入手できたので、これを本人に見せながら、我々が至らなかったところ、特に政憲さん(青木被告)がこれまで抱えていた長く深い苦しみを理解してもらえなかった責任はすべて私にありますから、これを覆せるように上訴審では主張していきたいと思います。
誤判は袴田さんのようなケースだけでなく、量刑の誤判決もある。
死刑にすべきじゃないのに死刑にされてしまった。控訴審、上告審で判決が変わることもある。量刑においても誤判はある。ですので、あきらめるわけにはいかないので上訴する。
記者:弁護団は控訴審でも同じ弁護士か
今村弁護士:その点は今後検討する。ただ上訴審でも責任能力を主張するのは変わりありません。

記者:判決を聴いている間の被告は?
今村弁護士:ちょっと体を揺らしたり落ち着きないように見えましたが、いつも政憲さん(青木被告)、あんな感じですので、特に判決だからああなったというわけではないと思います。
記者:判決で一番納得がいかなかった部分は?
今村弁護士:責任能力の部分で、完全責任能力を認められてしまった部分です。我々は心神耗弱を主張してきて、医師の証言もあったが、信用できないと言われてしまったのは非常に残念です。
記者:被告とは判決後に少し言葉を交わしたか?
今村弁護士:この後、面会に刑務所に行くので、それについてそこでお話しようと説明しました。
記者:被告から控訴について意思表示あったか?
今村弁護士:特にありません。
記者:裁判員裁判での死刑判決の重みについてどう思うか?
今村弁護士:命の問題なんで、裁判員だからとか裁判官だからとかということではなく、死刑判決を受けたことに対して当然に上訴するということです。
記者:弁護士として死刑は廃止すべきだと思っているか?
今村弁護士:私自身はそう思っていますし、そういう活動している。日本社会から死刑がなくなることを目指して活動している。