急速に円安が進んでいます。きっかけは自民党の高市新総裁の誕生です。高市氏の物価高対策がかえって物価高を呼ぶとの指摘が出ています。

都内のステーキ店。一番人気は「熟成牛タンのステーキ」です。現在は、オーストラリア産の牛タンを使用していますが、仕入れ値は5年前の2倍になっているといいます。

要因は、円安です。チーズやオリーブオイル、ワインなど、仕入れ値は円安で軒並み値上がりしています。

炭焼き肉とワイン 旬熟成 金井正志 店長
「ちょっと厳しいです。このままずっと値段があがっていくと、どうしても(値上げは)検討して上げていかないといけない」

そして、ここに来て、再び急速な円安が進行。

記者
「円相場は円安が進行し、およそ8か月ぶりの水準となっています」

きょう、円相場は一時、1ドル=152円台後半をつけました。要因の一つが、自民党の新総裁・高市氏の政策です。

物価高対策のため積極的な財政出動を行うとの見方から、財政悪化の警戒感が拡大。円を売ってドルを買う動きが強まり、総裁選前からは5円ほど円安に進行しました。

専門家は、円安がさらなる物価高を招くと指摘します。

外為どっとコム総研 神田卓也 シニア為替アナリスト
「円安が進むと、輸入するものの値段が上がる。我々消費者のところに届くとき物の値段が上がる、インフレになる」

目先は1ドル155円まで円安が意識されているといいます。

外為どっとコム総研 神田卓也 シニア為替アナリスト
「円安を抑えようとすると物価高対策が形だけになりかねない。本当に、非常に難しい状況」

物価高対策が、さらなる物価高に繋がるというジレンマに悩む高市総裁。難しい政策判断を迫られることになりそうです。