日本は「身代金を払わない国」その理由は?

井上キャスター:
基本的には「身代金を払えば」ということですが、身代金を払ったところで解除してくれる保証もないわけですよね。日本企業は普段、どういう対応を取るんですか。

増田幸美さん:
日本企業は基本的に世界で類を見ない「身代金を払わない国」になっています。なぜかというと、バックアップをとる文化があるからです。

日本は災害大国なので、地震に備えてバックアップをしっかりと取っているというところと、暴力団など反社会勢力に対して利益を供与すべきでないといったところがあるので、日本では払う企業が非常に少なく、他の国と比べても身代金を払わない国として知られています。

出水麻衣キャスター:
自力で立ち直っていくということですか。

増田幸美さん:
そうなんです。例えば、日本企業で身代金を払ったとしても、1回の支払いだけでデータが戻る率も17%と非常に少ないんです。なので、払い損という形になります。

井上キャスター:
難しいのは、身代金を1回払ってしまうと、「ここの企業は身代金を払う企業なんだ」ということを示してしまって、また攻撃をされるリスクがありますよね。

慶應義塾大学教授・教育経済学者 中室牧子さん:
食品や医療、物流など国民生活に不可欠な産業に対する攻撃というのは、もはや安全保障のリスクの領域だなと感じます。

中・小企業や下請け企業も含めたサプライチェーンにも連鎖的な被害が起こらないようにすることも大事だと思いますし、海外サーバー経由であるということを考えると、海外や諸国の政府や警察ときちんと連携するというのも大事なのかなと思いました。