“解党的出直し”はできるのか? 自民離れの原因に「不信感」か

党員1万人以上が自民党を離れた東京で、その影響を肌で感じている人がいる。

自民党 松田康将 元都議
「もうここ数年、去年の衆議院選挙のあたりから、もう無視ですよね」

2025年6月の都議選で落選した松田康将元都議(48)。文部科学大臣だった下村博文氏の元秘書で、都議会自民党で政調会長を務めていた。“裏金問題”の逆風は今も続いているという。

自民党 松田康将 元都議
「自民党にはもう期待しない。総裁選、誰になっても期待しないという人が増えたなと感じます。前はチラシをポイっと捨てる人がいたが(今は)素通り、見ない。透明になっている感じですね」

今は、就職活動をしながら支援者からの相談を受けているという。この日会った花の卸売会社の社長からは…

自民党 松田康将 元都議
「新しい総裁に期待することはありますか」

東日本板橋花き 樋口博紀 社長
「物価が高騰していますので、お花はすごく敏感なもので、今年に入ってから非常にお花の購買率も減っているような状況。一番大きいのは裏金問題。一般市民の中では、まだ完全に解決してない問題だと思う」

「変われ自民党」を掲げた今回の総裁選。候補者が訴えた「解党的出直し」はこれまでも…

小泉純一郎 衆院議員(2001年3月・当時)
「解党的出直し」

岸田文雄 総理(2024年3月・当時)
「解党的な改革が必要であると」

石破茂 総理(2025年9月)
「解党的な出直しを」

自民党離れが進む中、解党的出直しはできるのか。

自民党 松田康将 元都議
「解党的出直しですか、なかなか難しいと思いますよ。『もう自民党駄目だよ』『もう自民党やめたら』という声がある。

もう一般の皆さんの考えというか思いというか、国民の思いが自民党からもう離れて、今までだったら、あれやれば戻ってくるとかあったが、なかなか難しいのではないかと肌で感じています。自民党じゃなくてもいいかなというのも正直ある。じゃあどこの党がいいかと言ったらない」

2019年まで約40年間自民党に所属し、事務局長などを務めた久米晃氏は自民党離れの原因をこう分析する。

選挙・政治アドバイザー 元自民党事務局長 久米晃氏
「例えば少子化の問題とか、労働力不足の問題とか、食料自給率の問題とか、あるいは景気の問題とか、いろんな問題が散々課題だ、課題だと言われてきた。それに対して結果が出ていない。結果が出ていないことに国民は自民党に対して、自民党政治に対して不満や不信感を募らせていた」

不信感は地方にも広がっていると話す。

選挙・政治アドバイザー 元自民党事務局長 久米晃氏
「私のよく知ってる地方議員なんかでも『自民党の党員になってくれ』とか『地元の衆議院の先生の支援してくれ』と言いづらい状況だと言っていました。党に対する不信感が、町会議員や県会議員の支援者の中にも満ちてて言えない。当然党員は増えないでしょう」

ーー自民党の復活には何が必要だと思いますか?
「結果を出すことが一番ですよ。その結果があって初めて次に対する信用信頼が生まれてくる。馬の鼻先に人参ぶら下げるようなこと言っても、それが実現されてこなかったから、今日のこの状況がある。それができなければ最後の総裁選挙になってしまうかもしれない」