総裁選の陰で進む自民党離れ 元党員が語るワケ
総裁選の陰で、自民党離れが進んでいる。保守王国・福井、元党員の男性は「今の自民党自体に嫌気がさした」と語る。
福井県若狭町で町議会議員を3期務めた坂本豊さん。2025年3月、任期満了で議員を退職し、離党届を提出した。決断の引き金となったのは、いわゆる“裏金問題”だった。

元自民党員 坂本豊さん
「自民党は衆議院でも負け、都議選でも負け、今回の参議院選でも負けた原因は政治資金をちゃんと釈明しない。うやむやにして謝って済むという問題ではない。きちっとけじめをつけるために、はっきり言ったらどうやっていう。党として常習化してたのか」

2024年の衆院選、福井2区では1000万円を超える不記載が発覚した“裏金議員”高木毅氏が出馬するも落選した。年額4000円の党費の集金にも影響が…

元自民党員 坂本豊さん
「党員さんのところに集金に行かなきゃいけないんですよね。3、4年前ぐらいから文句ばっかり言われる。党費払うのはいいけど一体このお金何に使うとんのやとか」
「今の自民党は左に寄り過ぎ」党員・党友が14万人減少 保守王国・福井でも…
今回の総裁選、保守王国・福井では投票権を持つ党員・党友が、2024年に比べ1200人以上も減少した。
元自民党員 坂本豊さん
「本当に国民のことを思って政治やっているのかな。国民は物価高で生活が大変だけども、そんな中で総裁選が始まってます。国民がこれだけ苦しんでる時にそんなことやってる場合違うんちゃうかな。はっきり言って改革をすべき時に、既に遅しで全く改革する気もない。誰がなっても変わらへんでみたいな」
総裁選の投票権を持つ党員・党友は2024年は約105万人いたが、2025年は91万人に。2024年は党費などの特例措置があったものの、14万人もの減少は関係者にショックを与えた。

都道府県別では、東京が1万人以上と最も減っていて、愛知でも7000人ほど減少。2024年に政界を引退した二階幹事長の地元・和歌山では約3割と大幅だった。全ての都道府県で党員が減少している。
自民党離れが進む理由は、裏金問題ばかりではない。
元自民党員 上出雅彦さん
「危機ですよ。危機だと感じていない国会議員が多いんじゃないですか」
石川県で九谷焼の窯元を営む上出雅彦さん。40年間、党員として自民党を支えてきたが、党の方針が保守路線ではなくなってきたと感じ、2年前に離党した。
元自民党員 上出雅彦さん
「家族全部党員でしたから、かつては6人」
ーーご家族も?
「もちろん全部やめました。自民党結党の本来のことを忘れてしまって、憲法改正も進まないし」

ーー自民党はもっと保守であるべき?
「(左に)寄り過ぎてますね、完璧に。今の石破政権が特にそうですね。日本人らしさが全く無くなってきて、靖国神社の参拝にしてもそうですけど、私の周りで自民党を辞めた人は裏金問題関係ないですね。日本人らしい政治をしてほしいなということですね」