「品種改良技術」なぜ日本が世界トップクラス?
シャインマスカットを生んだ日本の品種改良技術は、世界でトップクラス。その理由は、日本と海外の「フルーツに対する認識の違い」にあると岡山大学・福田文夫教授は指摘します。
▼海外=水分・ビタミン補給
・日持ち優先
・かたくて水分量少ない
・贅沢品という認識薄い
▼日本=贈答文化(お中元など)
・より高級でも売れる
・日持ち短くてもすぐ食べてもらえる
・柔らかくジューシー
こうした日本特有の事情に加え、細かい作業が得意という日本人の特性も相まって、品種改良の技術が発展していったそうです。
品種改良がすすむ日本のフルーツは、大きさや病気になりにくさ、日持ちのしやすさ、色の美しさ、栽培できる期間の長さなどさまざまな方向で開発が行われています。例えば…
▼「山梨・富士の輝き」“黒色”のブラックシャインマスカット
▼「青森・千雪」すりおろしても変色しないりんご(国際特許取得)
▼「長野・ムーンルージュ」果肉が赤いりんご
産業保護などの観点から、日本のフルーツは台湾・香港など決められた地域にのみ輸出されています。そのため「日本のフルーツは日本でしか味わえない」ことが多く、“フルーツツアー”といった新しい観光の形も生まれつつあるようです。日本のフルーツへの期待はさらに広がっていきそうです。