■東京2025世界陸上 8日目(20日、国立競技場)
男子円盤投の予選が行われ、日本記録保持者の湯上剛輝(32、トヨタ自動車)が56m40の全体37位で予選敗退となった。
世界陸上初出場の湯上は、今季日本新の64m48をマーク。同種目では07年の大阪大会に出場した畑山茂雄以来、9大会ぶり日本勢2人目の出場を果たした。
世界陸上を終えた湯上は「本当に夢のような時間でしたね。世界から遠いと言われていた円盤投で、開催国枠ですけれども、この舞台に立てたということは、自分にとっての夢とか目標とかがいろいろと叶った瞬間で、本当に特別でした」と振り返った。
聴覚に障害のある湯上は、今年の11月に行われるデフリンピックの出場も決まっている。この日は、同じ障害を持つ子どもたちが競技場で観戦し、拍手と手話でサインエールを送るなど、スタンドから湯上の背中を押した。
「最後手拍子を求めたときも、人工内耳を取っていたので、何も聞こえなかったんですけど、こういったら大げさかもしれないけど、一番応援されてるというか、そういった空気感を味わうことができました」と感謝の思いを口にした。
「僕自身の姿を見て、僕と同じように聴覚障害を持っている子供たちに、少しでも障害があってもやれるんだというような、そんな勇気だったり、希望だったりというものを与えられたらすごく嬉しいですし、それ以上望むものはないです」とメッセージを届けた。