■東京2025世界陸上競技選手権大会(16日、国立競技場)

男子110mハードルの村竹ラシッド(23、JAL)が日本勢で唯一、決勝の舞台を走り、13秒18(-0.3)で5位。前回大会の泉谷駿介(25、住友電工)に続く日本勢2大会連続の入賞を果たしたが、メダルまであと0秒06足りず、泣き崩れた。今季世界2位となる12秒92の日本新記録をマークし、一躍メダル候補となった村竹。「世界のファイナルの舞台で自分の実力を存分に発揮するって難しいことなんだなって改めて実感しました」と振り返った。

【村竹選手一問一答】

Q. 振り返って
村竹:何が足りなかったんだろうなって言うのが正直な思いです。

Q.スタートラインに立った時の思いは
村竹:
緊張とかも全然なくて、こんなにたくさんのお客さんがいる中で走れたのは本当に幸せだったし、知り合いの顔も見えたりして。本当にたくさんの声援をもらってそれを力に変えることができたなっていうふうには思ってたんですけど、なかなかうまくいかないですね。難しいですね。

Q.レースは?
村竹:
ベストには程遠いんで・・・ちょっと何とも言えないですね。改めて世界のファイナルっていう舞台で自分の実力を存分に発揮するって難しいことなんだなって。改めて実感しました。

Q.日本中が応援してたと思います。
村竹:
予選が終わったあとも、予選だったのにも関わらず、たくさんの人からメッセージをもらって一人のアスリートとしてこんなに幸せな瞬間は無いって思ってます。本当にうれしいです。

Q.世界から一番遠い種目と言われていましたが
村竹:
今年、パリ五輪が終わって、世界の色んな所にまわってトップの選手たちと何度も何度もぶつかり合って。その中でも着々とタイムを縮めることもできましたし、12秒台も出ましたし、メダルを取れるだけの根拠がそろってたと思ってたんですけど、本当に何が足りなかったんだろうって…どこが間違ってたんだろうって後悔が尽きないですね。

Q.パリ五輪(5位入賞)が終わっての一年間てどう過ごしてました?
村竹:
パリが終わって、(パリ金で世界陸上3連覇も今大会は準決勝敗退の)ホロウェイ選手(27、アメリカ)が鐘を鳴らしてる姿を見たり、表彰式も見たんですけど、本気でメダルが欲しいって思えて、突き動かされるように冬季とか練習してましたし、うまくいかなかったほうが多いんですけど、それでもめげずにメダルを取るんだって思いのもと、ずっとやってこれたんで。社会人になってからもずっとそうなんですけど、何か一つの物事に打ち込んだことはなかったなと思ってて、競技者じゃなくて一人の人間としても少し成長できたような気がしますし、2年連続で世界でファイナリストに残れたということは一つの自信にもなると思うんで、よりメダル欲しいなと思えて…まだまだ強くなれる気がします。

Q.改めて東京世界陸上ってどんな大会でしたか
自分の陸上人生の中で、まさか東京で世界陸上があるっていうふうに、陸上を始めたときには全く思ってなくて、しかも決まってから自分が出場してファイナリストに残ってメダル争いができるかもしれないなんて想像もしてなかったんで。そう思うとちょっと表現が難しいんですけど今の時代に生まれてよかったって思います。
何年かかってもこの足が許す限りメダルを目指したいと思います。