村山市でそばの魅力を伝える大会が開かれました。打たせるのは、白球ではなく舌鼓!「そば甲子園」と呼ばれるその大会に祖父の教えを受け出場した高校生の姿を追いました。
「そば甲子園」はそばの魅力を若い世代にも知ってもらおうと村山蕎麦の会が開いているものです。
この甲子園で競うのは、もちろん「そば」です。90分の持ち時間でそば粉を使った創作料理2品と打ったそばの出来栄えや技術を競います。
コロナ禍による中止期間を経て今年は6年ぶりに大会が開催され、県内から2校・宮城県から1校の合わせて3校の高校が参加しました。
「(プレゼン)私の家族でそば打ちができるのは祖父だけです。周りの友達でもそばが打てるという(人)は聞いたことがありません。このままではそば大国・山形が危ないと思い、そばを広めたいという思いで2人を誘い、出場しました」
このうち山辺高校のチーム「そば粉ワールド」の佐藤ひよりさんです。そば打ちが趣味の祖父の影響でそばに興味を持ち参加を決めました。
佐藤さんの担当はそば打ち。祖父からのアドバイスをいかしてそばを打ちます。
「水。水回しがやっぱり大事だから慎重になってやれと言われました。(水回しの出来で)ちゃんと繋がったそばになるかどうか(決まる)」
作業に没頭すること50分。そばが打ち終わりました。
佐藤さんのチームの創作料理は山菜やきのこ・バイ貝をそば粉を使った生地で焼いたパイ。そして抹茶味のそば粉のクレープとずんだ・みたらし・あんこを何層にも重ねたミルフィーユです。
試食した村山産業高校の生徒「めっちゃおいしい。クオリティが高いなと思いました」
試食した村山蕎麦の会の会員「美味しい。素晴らしいです。見た目は洋風でも食べると和のそばの香り・味が非常に良い」
今回のそば甲子園で優勝したのは仙台大学附属明成高校。山辺高校は惜しくもそば甲子園を制することはできませんでした。しかし、来年から飲食業の会社で働く予定だという佐藤さんにとって学びの多い時間になったようです。
山辺高校 そば粉ワールド佐藤ひよりさん(3年)「狙ってたのは最優秀賞だったので悔しい。食材を知る大切さとかチームで頑張る楽しさとかそれを働く時に活かしたい」
白球を打つのではなく、舌鼓を打たせることを競う「そば甲子園」。大会がそば打ち文化の継承にもつながっていきます。
山辺高校 そば粉ワールド佐藤ひよりさん(3年)「教えてくれたおじいちゃんとかに自分1人できょうの大会よりもっといいもの(そば)をいつか作れたらなと思う」