体験者の"リアルな言葉"で未来につなげたい

 体験者の「リアルな言葉」を未来につなげたい。動き出したのは、地元の舞鶴工業高等専門学校でソフトウェア開発などを学ぶ学生たちです。

 開発しているのは、あたかもシベリア抑留の体験者と対話しているかのように証言が聞けるシステムです。

 (記者)「つらかったことはありますか?」

 マイクに向かって知りたいことを質問をすると…

 (抑留体験者の動画)「また仕事を圧迫される。食べるものは十分なものをやってくれない」
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 質問に沿った体験者の証言が再生されます。過去に抑留体験者3人に行った、計2時間半に及ぶインタビューを学生たちが一言一句、文字起こし。質問の趣旨を理解し人工知能=AIが適切な回答をしている映像を選んで再生する仕組みです。

 (学生)「実際に体験した人が証言されるときには、気持ちがとてもこもっているなと。その気持ちをそのまま伝えることができるのではないかと思います」

 実用化はまだ先になりますが、記念館の学芸員は従来の一方的な証言動画よりも理解が深まるのではと期待を寄せます。
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 (舞鶴引揚記念館 長嶺睦学芸員)「(体験者の)話を聞いてきた者としては、実際に質問することで理解が深まることを体験しているので、それをこれからの世代にもそれを体験してほしい」

 「体験者なき戦後」に備え若者たちの創意工夫が続きます。