再犯の可能性を指摘も…執行猶予は妥当だったのか
2022年の事件の判決では「住居侵入・傷害事件の翌日に謝って許してもらいたいと考えて被害者方へ赴こうとした経緯からしても、思考の歪みは顕著である。再犯が強く危惧されると言わざるを得ない」と、再犯の可能性が指摘されていました。
続けて判決では、「他方、被害者は幸い重傷には至らなかったこと、本件を認め、再犯防止につとめると述べていることを考慮」とし、傷害やストーカー規制法違反などの罪で執行猶予付きの有罪判決となりました。
この3年前の類似事件について気になるポイントを川崎弁護士に聞きました。
Q執行猶予付き有罪判決は妥当だった?
「どうやって裁判官が実刑、あるいは執行猶予にするかを決めているかというと、どんな危険な行為をどんな気持ちでしたのか、犯罪そのものを見る。その後、もしかしたら再犯するかもしれない、あるいは生い立ちに何かあったのかもしれないなど、事件以外のことも一緒に考えて判決を決めます」
「基本はどんな罪を犯したか。殺人未遂であれば実刑の可能性が高いですが、傷害罪で起訴されていますので、怪我の重さ次第で執行猶予付きになるのはあり得るんだろうなと思います」
Q執行猶予の意味は?
「日本の刑罰では、死刑以外は必ず社会に帰ってくることになります。そのときに再び社会生活を営めるように刑務所の中で矯正教育をします。でもそれは刑務所の中だけではなく、社会の中でもできます。初めて犯罪を犯したときには1回だけチャンスを与えましょう、この執行猶予期間に何もしなければ、刑罰はなしにしてあげます。これが執行猶予という制度です」