日本の「トレカブーム」の源流
野村:日本でこのトレカが発展してきたのは、どういう経緯があったのですか?
comugi:歴史を遡ると、トレカの起源はアメリカで、19世紀後半に紙巻きタバコのパッケージに絵のカードを入れたおまけが始まりです。
野村:結構歴史が古いんですね。
comugi:日本で大きなインパクトを与えたのは1970年代の「仮面ライダースナック」です。カルビーが発売したこのスナックのおまけにカードをつけたところ、1袋20円で1日100万袋も売れる社会現象になりました。これが日本のトレカの起源と言えるでしょう。
そして、対戦ゲーム形式の元祖は、アメリカの「マジック:ザ・ギャザリング」です。1990年代から始まったこのカードゲームが第二次ブームのようなトレンドを作りました。長い歴史の中で、今、トレカは成熟の時期を迎えているのだと思います。
野村:ポケモンが出てきたのは90年代ですが、やはりポケモンという存在が市場を大きく広げたのでしょうか。
comugi:それは間違いありません。IPという概念を作ったのはポケモンの影響が大きいですし、「ポケモンGO」が社会現象になったように、子どもも大人も知っているIPが世界的な市場を形成した影響は計り知れません。
近年では「ポケポケ(Pokémon Trading Card Game Pocket)」というスマートフォンアプリも面白い展開です。これはポケカをスマホで遊べるようにしたアプリですが、パックを開けるまで中身が分からないブラインドボックス形式をデジタル上でうまく表現しています。
これは最近の大きなトレンドですが、フィジカルとデジタルを行き来する、いわゆる「フィジタル」的なアプローチが重要視されていると感じます。