二次流通はブランド維持のバロメーター?
野村:一連の取材や調査をしてみて何か感じられたことはありましたか?
comugi:私は金融の世界も見てきましたが、その中でトレカは「オルタナティブファイナンス」、つまりもうひとつの資産という側面があると感じました。CtoCが広がり、あらゆるものが取引される中で、トレカは平たくて薄く発送も楽なので、売買しやすいという側面もあります。
ここから得られる気づきは、企業は自社のプロダクトをアセット(資産)として見た時にどうなるのかを考えなければいけない、ということです。新商品はすぐに値下がりしますが、ブランドがあるものは値下がりしません。
このブランドの維持において、実は二次流通市場がバロメーターになっている側面があると思うのです。だからこそ、こうした市場を無視してはいけないのだと、トレーディングカード市場を見て改めて思いました。
<聞き手・野村高文>
Podcastプロデューサー・編集者。PHP研究所、ボストン・コンサルティング・グループ、NewsPicksを経て独立し、現在はPodcast Studio Chronicle代表。毎週月曜日の朝6時に配信しているTBS Podcast「東京ビジネスハブ」のパーソナリティを務める。