「高校野球改革」は可能か
Q.「高校野球改革」は可能ですか?何か提案できることは?
スポーツジャーナリスト 小林信也さん
まず「夏の大会を見直す」という覚悟を持ってほしいです。暑さ対策も含めて、開催がなぜ最も暑さが厳しいこの夏の時期なのでしょうか。例えば秋に移すということも検討課題のひとつです。選手権のトーナメントは仕方ないとしても、高校球児の出場機会を広げるために「リーグ戦の大会」も増やせないものでしょうか。トーナメントだと「1回負けたら終わり」です。まだ発展途上で多少力が足りないなとか、ミスがあった選手を監督は起用しにくいといった点が改善できるのではないでしょうか。
Q.高校生だからここそ、再起のチャンスが必要ですね
スポーツジャーナリスト 小林信也さん
高校野球は転校すると1年間試合に出られないという規定があります。これは高校間で球児の「引き抜き」を防止するためだと思います。今回の大会の途中、広陵高校でいじめ被害に遭った選手は「いじめ」だと認定されているので、転校後も野球は出来ると思いますが、裏を返せば、いじめと認定されなければ1年間試合に出られないことになります。今、学校生活、校風、クラスになじめない、合わなくて学校を変わる子どもたちは野球部に限らず増えています。そういう時代に合わないルールを未だに保ち続けている。結局、監督の言いなりになるしかないのです。
Q.広陵高校は部内アンケートで「ほかに暴力はない」として秋の大会への出場を発表しました。これについてどう思いますか
スポーツジャーナリスト 小林信也さん
事実は分かりませんが、茶番である可能性もあると思います。何故なら「暴力が他にあった」と回答した途端、試合に出られなくなると分かっているのですから。部内の調査に対して部員自ら事実を言うのか。「皆で隠したら怖くない」のような風潮が、残念ながら今の高野連のシステムから生まれているのではないでしょうか。














