コロナ禍で注目され始めた大都市から地方への移住。全国の自治体で移住者の獲得合戦が繰り広げられています。

こうした中、愛媛県松山市が展開している「オーダーメイド型」の移住体験ツアーとは?

松山市にある野菜や果物の直売所「太陽市」。

店にやってきたのは、横浜市に住む河野吉伸さんとその家族です。目的は移住に向けて、松山の買い物事情を知ることでした。

(横浜市在住・河野吉伸さん)
「(市の担当者が)物価を知ってもらいたいという思いがあって、おすすめということで」

松山市が県外在住の人を対象に行っているオーダーメイド型の移住体験ツアー。見学したい場所を移住希望者が決め、市の担当者から説明を受けながら回ることができます。

産直市を見学した河野さん一家は、関東との物価の違いを実感していたほか、朝採れの野菜などが店頭に並んでいることやその大きさにも驚いたようです。

(横浜市在住・河野吉伸さん)
「普通向こう(横浜)で、こんな大きさでは売っていないですね」

7歳と11歳の娘がいる河野さん。充実した子育て環境を求めて、妻の摩邪さん(※「摩」はがんだれ)が松山への移住を提案したといいます。

(妻・摩邪さん)
「(横浜には)この規模はないですね、この広さは」

松山市総合コミュニティセンターの「こども館」では、充実した遊び場に上々の反応。子育てのイメージも膨らみます。

(妻・摩邪さん)
「まちの中にいろいろな施設がぎゅっと集まっていて、生活しやすい町だと実感した」

一家は今後娘たちが通うかもしれない中学校も訪問。部活や行事などについて教諭から説明を受け、子どもたちも興味津々の様子でした。

市は今年度、10組ほどのオーダーメイドツアーを行う予定で、移住者の獲得に繋げたい考えです。

(松山市まちづくり推進課・村山寛之さん)
「松山に興味を持ってもらった方に実際に松山に来て、実際に松山で暮らしてもらうイメージを持ってもらいたいということで、ツアーを企画している」

2020年のスタート以降、88人が参加し、35人の移住に繋がったそうです。

市は移住者同士の交流会も開催しているということで、こうした取り組みが人口減少対策の一助となるのか注目です。