帰ってこない、連絡もない娘の異変
9月30日(金)は、ヨガ教室に通ってから帰るため、午後10時過ぎに帰宅する予定だったみささん。
加藤さんは「遅いな」と思いながらも、みささんの帰りを待っていました。しかし、午後10時を過ぎても、みささんは帰ってきませんでした。
(加藤裕司さん)
「妻が心配して電話をかけますが、留守番電話にすぐ変わって吹き込みました。しばらく待っていたんですけど、返事がないので、今度はメールを打ちます。これにも返事がありませんでした」
午前0時を過ぎても帰ってこなかったみささん。しかし加藤さんは、そんなに心配していなかったようです。
「親としての心境というのは、そんなに心配もしておりませんで、大の大人ですから。当時お付き合いしていた彼氏がいるということもあり、金曜日の晩ということもあって、彼氏と会って、過ごしてるんだろうと、呑気に考えておりました」
「しかし、翌朝(10月1日)になっても帰ってきておりません。彼氏と一緒に朝を迎えてるんだろうと。どうせ土曜日、日曜日は休みっていうことがあったので、そんなに心配もせず、『しょうがないな』ぐらいにしか思ってなかったですね」
加藤さんは仕事に出かけ、「もうおそらく娘は帰ってるだろう」と思い、午後8時ごろに帰宅しました。しかし、みささんは、家に帰ってきていませんでした。
「妻の表情がですね、真っ白で、顔が真っ青というか真っ白というか。いくら電話をしても、いくらメールを送ってもその返事がない、と非常に引きつった感じで私に訴えてきたので、『これは何かあったな』とその時に思いました」
加藤さんは、みささんが車で通勤していたため、交通事故に遭ったのではないかと考え、情報を得るために近くの赤磐警察署(当時の瀬戸警察署)に夫婦で向かいました。
「いろいろ説明したんですけども、『そういう連絡はまだ入ってない』と。お話をしてる最中に気がついたのは、娘の携帯電話にはGPS機能がついてるので、そのGPSの発信を調べれば居場所が分かるんじゃないかと思ったんです」

加藤さんは携帯会社にGPSの発信を調べて居場所を教えて欲しいと連絡しました。
その後、携帯会社からの返答は、「夕方の5時までは電波の発信があった。ところが午後5時以降は電波の発信がない。電波の発信がなければ、追跡の仕様がない。その原因としては、携帯電話自体が壊れている、あるいは電源がオフになってるかでしょう。それ以上のことは分かりません」でした。
「『あ、そうなのか』と思ってお礼を言って、私たち夫婦は家に帰りました。家に帰ったんですけども、何もすることはないんですよね。何もできないし・・・」
通勤で使っている娘の車はどこに? 行方を探す父親
そんな思いを抱えていた加藤さん。みささんが車で通勤していることを思い出し、「ひょっとしたら、会社の駐車場に娘の車があるかもしれない」と思った加藤さんは、午後11時過ぎに、みささんが勤務する会社に行きました。
(加藤裕司さん)
「おそらくこの道を通って行くだろうと、大体想像がついてました。途中でコンビニが数軒あって、娘の性格からしてコンビニにたむろするとか、車をコンビニに置きっぱなしにするとかは考えにくかったんですけども、念の為と思って一件一件、寄って確認しました。当然いませんでした」
「会社の駐車場に着いたんですけども、会社の駐車場はよくある学校のグラウンドのような広い敷地に、蛍光灯が4か所ぐらいあったと思うんですけども、2か所だけ灯りがついていて、車が1台か2台止まっていました。会社は土曜日、日曜日は休みなので、ほとんど社員の方は出勤していなかったです」

休日の駐車場には車が無く、困った加藤さん。そこでふと思い出したのが、従業員の車通勤が多く、会社の駐車場だけでは足りないことでした。
「近所の土地持ちの方とか、駐車場を経営されてる方の場所を借りて止めてる、というのを思い出したので、そっちの方も行ってみようと思って細い道をずっと通って行ったんですけども、結局車のライトは道路を照らしますけど、左右は見えないんですね」
「もしライト当てることができるとしても、大変失礼な行為になるので、ちょっとできないなと。それで諦めて翌日の日曜日にもういっぺん探してみよう、と思って帰りました」