「まだ悪い夢を見ながら目が覚めてない」
事件から今年(2025年)9月で14年。加藤さんは、「この14年が、長くも短くもあった」と話しました。
(加藤裕司さん)
「娘は『加藤みさ』【画像②】と申します。当時27歳でした。一方、元死刑囚の男は当時30歳。元会社の同僚ではありましたが、同じ部署で働いていたわけではありません」

「検察の起訴内容は、強盗、強姦殺人、死体損壊、死体遺棄、窃盗の6つの罪でした」
「これ【画像③】は(事件の)ちょうど1年ほど前の写真です。岡山県北のどこかのひまわりの前で撮った写真で、私がとても気に入っている写真の一つです」

「私にとって長いか短いかと言われると、どっちもあるんですけども、『もう14年も経ったのか』っていうことと、『まだ悪い夢を見ながら目が覚めてないんだ』という認識と両方あります。ほぼ1日も忘れたことはありません」
「この写真【画像④】は9月30日の金曜日の晩、仕事が終わった後、午後5時に仕事が終わり、職場の人が一人、この日に退職されるということで、ささやかなさよならパーティーをしたときのひとコマです」
「娘の顔写真がしっかり写ってるのは、これが最後の写真です」

「この画像【画像⑤⑥】は、のちに会社からいただいた画像の一部です。これは、社内と社外の監視カメラの画像です。なぜこれをお見せしているのかというと、内と外では非常に映りが違います」
「これ【画像⑤】午後6時10分に退出しようとして、タイムカードを打って外に出ようとしてる姿です。ところが一歩外に出ると、非常にぼやけた形になります【画像⑥】。これをちょっと記憶しておいていただきたいと思って見ていただきました」


「9月30日金曜日、普通だとだいたい午後8時前後に娘が帰ってまいります。私は娘の会話を楽しみに、心待ちにいつも待っているんです。私は父親ですから、母親とはちょっと違ってて、娘のことがすごく気になるんです」
「一方、息子はどうかというとそんなに気にならない。息子には悪いんですけど、(娘は)やはり異性なんで分かんないんですね。息子の場合は、自分が育ってきたプロセスと重ねて考えることができるので、『大体こうなっていくだろう』という予測がつくんですけど、娘の場合はわかりません」
「だから、どうしても気になって、気になってしょうがない。娘が『どっか行く』とか『どっか遊びに行く』とか言うと『どこ行く?』『何時に帰ってくる?』とか(私が)すごく言うわけですよね」
「それで娘にちょっと嫌われたりするんですけども・・・そんな思いでいつも帰りを待っていました」