■「ずっと一緒に笑っていたかった」涙で語った後悔

稀華ちゃんが生まれた時、梯被告は思いを新たにしたという。

「のんちゃん(稀華ちゃん)にはうちしかいないから、うちみたいな人生は歩んでほしくないから・・・、この子のためにがんばろう。のんちゃんには、心から笑ってほしい」

しかし、稀華ちゃんの人生はあまりにも悲しい終わり方となった。最後に、梯被告は涙を流しながら今の気持ちを語った。

「うちがこんなに弱くなければ、言いたいことも言っていたら、相手に合わせていなかったら、何もかもが違ったし、もっとたくさんのことしたり、こころにも余裕が・・・どこかでもっともっとがんばって勇気を出していたら・・・。こんなことしたかったんじゃない・・・。のんちゃんにこんな思いさせて、寂しい思いさせて、大事な人生を・・・後悔しています。うちはずっと、全部我慢していた。一人でがんばってれば、そうしてればって・・・。一人で我慢の限界もどんどんこえていたことも、過去に縛られてきたことも、全部間違えだと気づくのが遅かった・・・のんちゃんとずっと一緒に笑っていたかっただけだったのに・・・後悔しかない。ごめんね・・・」

検察は懲役11年を求刑した。“虐待”と“古いタイプの集団養育”。梯被告の人生を大きく変えた背景が、今回の犯行にどれほどの影響を及ぼしたと考えられるのか。