80年の時を経て「生前のエリー」映像見つかる

この絵本が伝えてきたエリーの存在を、より鮮明に伝える映像が見つかりました。

1938年~39年ごろ、天草に住む人が撮影したという熊本動物園の様子。そこに映っているゾウがエリーです。

エリーに気づいたのは、熊本日日新聞社の元記者・松尾正一さんです。

過去に取材した戦前の映像を去年、たまたま見返した時の事でした。

熊日新聞の記者だった 松尾正一さん(69)「天草の人が熊本に小旅行に行くような場面が出てきて、それを見ていたら動物園が出てきて、ゾウが出てきて。『えっ?戦前の動物園でゾウといったら、ひょっとしてあのエリー?』と思った」

松尾さんは、エリーの飼育員の息子で、エリーの世話を手伝っていたという金澤敏雄さん(去年死去)に映像を確認してもらいました。

金澤敏雄さん

松尾さん「もう見たとたんに『ああ、エリーです。生きているエリーに会えて嬉しい』と言われて涙ぐまれる感じでしたね」

80年間、世に出ることのなかったエリーの映像は、子ども達が戦争を知るひとつのきっかけになると、松尾さんは話します。

松尾さん「絵本も活用できるし、写真はいっぱいあるし、骨格標本も残っているし、そこに映像が加わってよりリアルな形で、平和というか戦争というか、そういったものの姿を少しでも実感してもらえるものになるといいなと」