いま、働く高齢者が増えています。総務省の去年の調査では、65歳~69歳の2人に1人以上、70歳~74歳の3人に1人以上が働いているという結果が出ています。そんな中、お金のためだけではない「生きがい就労」という働き方が注目されています。

 少子高齢化で今後ますます労働力としても期待される「シニア世代」。働くことは健康寿命にどう影響するのか、高齢者と就労についてニッセイ基礎研究所・前田展弘氏への取材を含めてまとめました。

万博で高齢者の「就労」と「健康状態への影響」を調査する実験

 大阪・関西万博で現在、大阪大学などの研究が行われていて、70歳以上の高齢者18人が、万博のガスパビリオン内で客の案内や忘れ物の確認などの軽作業に従事しています。

 この18人は端末を腕に装着していて、血圧や脈拍などのデータを収集。作業中の血圧変動と労災リスクの関係を検証しています。健康に不安があるシニアも安心して働ける仕組みの実験となっているということです。
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 ではシニア就労について見ていきます。国の制度として、現在の定年である65歳まで企業は雇用の継続の義務を負っていて、70歳までは企業は雇用確保の努力義務があります。

 今回取材したニッセイ基礎研究所の前田展弘氏は、人生100年時代で定年後も働く動きが進んでいると話します。