「制度の不十分さ」と「気持ち」が就労のハードルに
一方で、シニア就労におけるハードルもあります。前田氏によると、まず仕組みの面では、単純作業が多くやりがいを感じられる魅力的な仕事が少ない点があります。雇用側から見ると、短時間労働のマネジメントが難しく、マッチングの仕組みが不十分だということも問題として挙げられます。
高齢者と一口に言っても、さまざまな層に分けられます。ハイキャリアの人は民間派遣などの取り組みがあり、生活困窮者などにはハローワークでのマッチングがありますが、元会社員などの中間層についてはマッチングの仕組みが不十分で、ここを重点的に取り組む必要があると前田氏は指摘します。
気持ちの面の課題もあります。まずシニア世代の人々も仕事に対する“食わず嫌い”があるそうです。この仕事はできない、面白くなさそう、などの先入観をなくしていかなければ就労になかなか繋がらないということです。
社会全体の視点で見ると、シニアに対する年齢による偏見も。特に日本では、年齢を見て採用するほか、「高齢者は健康が…」などといった偏見もあるため、こうした問題を少しずつ改善していかなければならないと前田氏は指摘します。














