「朝に1杯の水。あとは1日何もない」体験者が語る生々しい記憶

 真由美さんの父で、シベリア抑留を体験した原田二郎さん。4年前に96歳で亡くなりました。原田さんは、満州の野戦病院で衛生兵をしていたときに終戦を迎えました。その後、旧ソ連のハバロフスクに連行され、4年間、建設作業などを強いられたといいます。80歳を過ぎてから、この記念館で地元の小中学生などに抑留体験を語ってきました。

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 (原田二郎さん(当時94歳))「(シベリア抑留の)4年間風呂に入っていない。散髪も4年間していない。水は年中凍っている。朝6時に食堂で湯のみに1杯の水をもらう。それを飲むだけ。あとは1日何もない」

 極寒の地・シベリア。捕虜の仲間が亡くなった時には、寒さから、生き抜くために服をはぐ人もいたといいます。

 (原田二郎さん(当時94歳))「(捕虜の仲間が)死ぬやろ。死んだらその人が着ている服を全てもぎ取ってしまう。丸裸で外に出しておく。自分が着ている服が破れているから継ぎ当てるために」