アメリカとウクライナの首脳会談がワシントンで18日に行われます。ヨーロッパ首脳らも参加する協議も予定されていて、ロシアよりに傾きつつあるともされるトランプ大統領の考えを引き戻せるのかが注目されます。

15日に行われた米ロ首脳会談。停戦合意は得られず、プーチン大統領の思惑どおりに進んだと見られるなか、日本時間あす未明、ゼレンスキー大統領とトランプ大統領が会談します。

さらに…。

EU フォンデアライエン委員長
「トランプ大統領との会談に参加します」

2者会談の後にはフランス、ドイツなどの首脳らを交えた会談も予定されています。

トランプ氏はヨーロッパの首脳らに対し、“ウクライナが東部2州をロシアに引き渡せば、和平合意が可能”だと伝えたと報じられていますが、ヨーロッパの首脳らは会談を前に、「自国の領土については、ウクライナが決定を下す」という考えを確認しました。

こうしたなか、米ロ首脳会談に出席していたアメリカのウィットコフ特使は。

アメリカ ウィットコフ特使
「我々は、はるかに強固な『安全の保証』について合意した」

会談でプーチン大統領がNATO=北大西洋条約機構と似た形の「安全の保証」をウクライナに与えることについて、トランプ大統領と合意したと発言しました。

ある加盟国への攻撃を全加盟国に対する攻撃と見なすNATOの集団安全保障と類似する防衛体制をアメリカやヨーロッパ各国がウクライナに与えるものだということですが、ウクライナのNATO加盟放棄を求めてきたロシアが本当にこれを容認したのでしょうか。

明海大学 小谷哲男 教授
「ロシアが国内法を作り、ウクライナ、その他のヨーロッパの国を侵略しないという約束をするとの説明があったので、(ウィットコフ氏は)それが『安全の保証』だと考えている可能性が高い」

アメリカ政治に詳しい小谷教授は、ウィットコフ氏について、外交経験が浅いことから、ウクライナ侵攻を繰り返さないという保証がないまま受け入れてしまったのでは、と指摘しました。

また、ロシア側はウクライナ全土ではなく、「東部2州を引き渡すなら和平に応じる」と、あたかも譲歩しているようにトランプ氏に印象付けたとし、あす未明の会談でトランプ氏は「次はゼレンスキー大統領が譲歩する番だ」と伝えようとしていると話します。

明海大学 小谷哲男 教授
「(ロシアは)全く譲歩していないのに、譲歩したかのように見せつけている。『その点をトランプ大統領に気づかせる』というのが、ヨーロッパ各国の首脳がやるべきこと」

ウクライナにとって正念場の会談が迫っています。