停戦急ぐトランプ氏 発言に広がる警戒感
停戦交渉は、侵攻初期にベラルーシやトルコで2国間で行われました。ウクライナの中立化などが話し合われましたが、ロシア軍によるウクライナ北部・ブチャでの虐殺が明らかになり、立ち消えとなりました。
その後、「戦争を24時間で終わらせることができる」と豪語するトランプ氏がアメリカの大統領に就任。

2025年2月、トランプ氏はプーチン氏と電話会談を行ったり、サウジアラビアで米ロ代表団による会合を行ったりしましたが、事態は進展しませんでした。
停戦を急ぐトランプ氏は、ウクライナ側に苛立ちを強め、2月末にはゼレンスキー大統領とふたりで口論する前代未聞の事態に。
5月に、トルコで約3年ぶりにロシアとウクライナの2国間で直接協議が行われましたが、停戦に向けた進展はありませんでした。
そんな中、8月8日、米ロ首脳会談を控えたトランプ大統領が「双方の利益のために領土の交換が行われるだろう」と発言。ウクライナ抜きの米ロで停戦案がまとめられるとの警戒感が広がり、ゼレンスキー大統領は「領土を明け渡すことはない」と牽制していました。
トランプ氏「和平合意」に意欲 専門家「攻撃を認めるもの」

結局、停戦合意に至らなかった今回の首脳会談ですが、プーチン氏との会談後、トランプ氏はSNSに「停戦合意ではなく、和平合意に進むのが最良」(16日)と投稿しました。
これについて防衛研究所の兵頭慎治研究幹事は、「停戦したのちに戦争終結の条件を協議するのではなく、和平合意するまでロシアがウクライナへの攻撃を続けることを認めるものだ」と指摘しています。














