ウクライナ侵攻後初となる対面の米ロ首脳会談が約4時間後に迫っています。軍事侵攻を進めるプーチン大統領が異例のアメリカ入国へ…両者の思惑は?
プーチン氏の狙いは現状維持? 米ロ首脳会談の行方

日本時間の15日夜、アラスカに向け出発したトランプ大統領。ウクライナ侵攻後初となる、対面の米ロ首脳会談が約4時間後に迫っています。
現地にいる記者に伝えてもらいます。

記者:
両首脳は、会談が行われるアメリカ軍基地の滑走路に、直接降り立つものとみられています。
今回異例なのは、軍事侵攻を行っているロシアのリーダーが、アメリカへの入国を認められたことです。早期の会談を実現するために、アメリカがかなり歩み寄ったといえます。

今回の会談の両者の狙いについてですが、トランプ大統領はお金を生まず、失うだけの戦闘をとにかく早くやめさせたい。決定的な成果が生まれない以上、停戦に繋がる協議を一歩でも、二歩でも、前に進めたい考えです。
具体的には、ゼレンスキー大統領を交えた三者会談への参加に「イエス」と言わせることです。
会談場所へ向かう飛行機の中で、トランプ氏は、占領されているウクライナの領土交換について「決定はウクライナに委ねなければならない」と話しました。
一方、プーチン大統領にとっては現状維持を勝ち取ることで成功と言えます。
アメリカは「停戦に応じなければ、さらなる制裁を科す」としていた方針をストップして、会談に実施しました。
協議を口実に新たな制裁を止めさせ、その隙に侵攻を進めてウクライナに対する優位性を高めたい、というプーチン大統領の狙いは明確です。

その両者が向き合うわけですが、「外交のプロ」ではないトランプ氏がプーチン氏に1対1の対話で懐柔される危険性が指摘されています。
また、トランプ氏はカメラの前で本音をさらすことがしばしばあります。予定されている共同会見での態度、そして共同会見が行えるのかどうかも、会談の成否を探るヒントになると言えます。