50代にして才能開花 今後も次々と

正さんの作品は、障害者アートをデザインしたグッズに使われたり、プロのデザイナーによってデザイン展のチラシに採用されたりしています。

今では絵を描くことは、正さんの事業所での大事な作業の一つとなっています。

花椿かがやき 坂田佳永子さん「アーティスト正さん、ね」

正さん「はい」

8月17日まで、富山市の県民会館では、正さんをはじめ「花椿かがやき」の作品がたくさん展示されています。

この展覧会は、まるで「フクシとアートの祭典」。

県内外3つの福祉事業所を中心に、のべ52人・約1千点の作品を一堂に集めています。

こちらは、名古屋市でアート活動に取り組むさふらん生活園の作品。

よーく見ると…。


来場者「ポップな感じでカラフルだし、かっこいい感じで見たら顏。確かに顔だと思って」

自分の顔をカラーコピーする毎日のルーティンから生まれたアートです。

こちらは、高岡市の「自立サポートJam」から。

カラフルな糸と細かなステッチで可愛らしい動物たちが刺繍されています。

作ったのは荒見真央さん。自閉症でこだわりの強い真央さんは毎日、事業所で黙々と刺繍に打ち込んでいます。

来場者「丸みを帯びたデザインとかすごくかわいくてほっこりするなと思って」「普通の美術館では味わえない感動があったかなと思います」

県障害者芸術活動支援センター 米田昌功さん「実は日頃やっている、自由な活動だったりとか、好きなことやっている、よくわからないようなクセの強い活動の延長上に、製品とか、社会につながるヒントがあったりとかする」

それぞれの個性を大切にする福祉事業所の日常から生まれ、育まれたアート。

コロナ禍で絵を描き始めた正さんの作品は、今では、美術館で展示されるまでになりました。

記者「おいくつなんですか」

正さん「…じゅう、ごじゅう」

記者「すごいですね、50代で才能開花しました」

53歳、まだまだ働き盛りの正さん。

事業所の仲間と一緒に大好きな農作業に励みながら、これからも自由で楽しいアートを次々と生み出していきます。