『陸上が好き』その一心で走り続けてきた26年間の競技生活

岸本選手の名を知らしめたのが、法政大4年の日本選手権で優勝して臨んだロンドンオリンピック™でした。22歳で迎えた夢舞台は、けがの影響もあり、結果は予選で失格となりました。

岸本鷹幸 選手(ロンドン五輪出場時)
「これからも強くなっていく自信はあるので、変わらぬ応援をお願いします」

この言葉とは裏腹に、この年に出した自己ベスト48秒41を競技生活で更新することはできませんでした。

岸本鷹幸 選手
「けがが多かったですね。何度か超えられそうなタイミングはあったが、そのたびにけがをしてしまって、表舞台では自己ベストを出す感覚で走ることができなかった―」

『陸上が好き』。その一心で走り続け、30歳を超えてからも2022年、23年には世界選手権に出場。最後まで成長を求めて走り続けました。

青森での大会のレース直後 岸本鷹幸 選手
Q.いかがでしたか?

「いいですね!やっぱり!一生の思い出になると思います」

9月7日の大会を最後に競技生活に一区切りをつける岸本選手。
孤独で厳しい陸上の世界で戦い続けてきたからこそ、後輩たちに伝えたいメッセージがあります。

岸本鷹幸 選手
「最終的にインターハイに合えばいいんだよというところを知ってもらえればと思っていますし、そのあたりの努力は、強化部の先生方はすごく取り組んでいる部分だと思う。安心して指導者を信じていけば、記録が出る環境は整ってきていると思うので。まずは自分がしっかりやらなきゃなというところは、意識してもらえれば」

岸本選手は『言葉』で、そして『トラックを走る姿』で後輩に夢を託し、26年間の競技生活に幕を閉じます。