■なぜACPは大切か…「患者だけではない」医療現場も重要視

 手稲家庭医療クリニックの松本美奈看護師は、「ACP」を患者本人や家族に任せっきりにするのではなく、医療機関がサポートすることで、より充実した最期を一緒に目指していきたいと話します。

手稲家庭医療クリニック 松本美奈看護師

手稲家庭医療クリニック 松本美奈看護師
「ACPは、治療とか延命とかを“する”“しない”だけではなく、その人らしく過ごすにはどうしたらいいかというのを繰り返し考えるプロセスです。病名や予後にはこだわらず、どうサポートすればいいのかを、患者本人だけでなく家族にも考えてもらいたいし、我々スタッフにも理解してもらって、『いい人生だったな』と思ってもらえるように、一緒にチームでやっている感覚です」

100%は難しいが、「ACP」をできるだけ多くの患者に届けていきたいと語る松本さん。

現場のスタッフたちにも「ACP」の重要性が徐々に浸透し、好循環が生まれ始めている段階だといいます。

手稲家庭医療クリニックの松本美奈看護師
「病院の中で患者に話を聞こうと思っても、なかなかタイミングが難しい。治療に向かっているのに、最期のことを考えるのも難しい。そうではない早い時期に一度考えるだけでも全然違うし、万が一のときに困らないと思うんです。だからスタッフにもこだわって話をし続けています」

患者らと「ACP」を実践するスタッフ

「なかなか浸透していない部分もありますが、患者の普段の生活や会話を通して、“尊厳ある最期の生き方”に寄り添っていきたいです」

家族が集まる「お盆」の時期に、みなさんも大切な家族と「ACP」を実践してみてはいかがでしょうか。

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