綾瀬はるか「個人の絆をも引き裂く戦争」

包み込むような温かい笑顔でそう話したバーバラさん。綾瀬は何度もうなずきながら、バーバラさんの目を見つめて聞いた。

「国と国との争いが、個人との関係も離れ離れにしてしまう…戦争について、伝えたいことはありますか?」

「人々がなぜ分かり合えないのか、不思議でなりませんでした。今も同じです。人々は分かり合えず、世界中で戦争が起きています。それはとても悲しいことです。人と人は向き合って、話し合い、理解しようとするべきです。今はそういう時代ではなくなってしまったように思いますが」

人と人とのつながりを引き裂こうとする戦争。しかし、それを乗り越えて育まれた絆が確かにあった…。取材を終えて綾瀬は、この20年間に戦争体験者への取材で聞いた「ある言葉」をかみしめていた。

「とても貴重な証言を私たちにのこしてくださったことを心から感謝しています。これまで戦争に関する取材をしてきましたが、戦争を体験した方からお聞きした『あなたたちは戦争を知らない世代だし経験していないから、とにかく考えて想像することが大切だ』という言葉が心に残っています。小さなことかもしれませんが、日々のそういうことが、まず大事だと感じました」

※この記事は、JNN/TBSとYahoo!ニュース、noteによる戦後80年プロジェクト「#きおくをつなごう」の共同連携企画です。記事で紹介した「収容所に送られたアメリカの日系人」についての情報を募集しています。心当たりのある方は「戦後80年 #きおくをつなごう」サイト内の情報募集フォームにご連絡ください。
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