次の世代に語り継ごうと活動する人



徳重彩実さん
「やけどして腕の皮がむけると爪のところで引っかかって、垂れ下がります。手を下ろすと歩きにくいし、手を前に突き出していました」



徳重彩実さん、39歳。

自身が働く図書館で初めて、祖父の被爆体験を話すことになりました。



徳重さんの祖父は、広島市の爆心地から1.2キロの地点で被爆しました。

徳重彩実さん
「当時20歳だった祖父は今でいう大学3年生、プロペラエンジンを研究する理系の大学生でした」

この会は「小郡図書館友の会鉢の子」が、平和について考えてほしいと毎年この時期に開いています。

祖父は今から4年前に96歳で他界。



生前、原爆や戦時中の話を徳重さんは聞いていました。

徳重彩実さん
「髪の毛が焼けた女学生が走って逃げていきます。祖父はその顔を見てぎょっとしました。飛び出した片目がほおのところでごろんごろんと揺れていたからです」

徳重さんの祖父は全身に大やけどをし、被爆直後からおよそ1か月半もの間意識を失っていました。

徳重彩実さん
「祖父は中学校で数学を教える道を歩み始めました。そのなかで子どもたちに被爆体験を伝えるようになります」

平和の大切さと原爆の恐ろしさを次の世代に知ってほしいという思いからです。

平和について考えるきっかけとなれば。



祖父の意志を受け継ぎ、徳重さんも記憶を伝えます。

参加した児童
「戦争は恐ろしいって思いました。痛みが怖いって思います」

戦後80年。

戦争を二度と繰り返さないと誓い、守り続けてきた平和。

変わらぬ日々をこれからも過ごすため、次の世代へと記憶を伝えていきます。