箱ブランコ以外にも

このような事故を受けて、国土交通省は公園遊具の安全点検を義務化し、各自治体も老朽化した遊具の撤去や使用停止を行うようになりました。撤去の対象となったのは箱ブランコに限らず、回転遊具やジャングルジムなども含まれます。

ちょうどこの頃、遊具の老朽化による事故も相次いだことも、遊具撤去の後押しとなりました。

結果として、公園から大型遊具が消え、空き地のようになってしまった場所も少なくありませんでした。

安全と挑戦のバランス

一方で、このような遊具の撤去により、子どもたちが自由に身体を動かし、冒険心を育てる機会が減ってしまったという指摘もあります。多少の危険を伴う遊びの中で、子どもは「加減」や「注意力」を身につけていくものです。

どこからどこまでが「危険」なのか、議論を呼びました。

現在では、安全と挑戦のバランスを見直し、遊具を全面的に禁止するのではなく、設計の工夫や保護者の見守りなどを通じてリスクを軽減する方法も模索されています。

2002年の「遊具の安全に関する基準」が議論のきっかけとなりました。