公園の遊具が減っていることにお気づきの人も多いかと思います。「箱ブランコ」をはじめとして「旋回塔」「グローブジャングルジム」などが危険遊具として次々と撤去されてきたのです。(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

児童公園の遊具が消えた

近年、多くの公園で遊具が撤去されるケースが増えています。その背景には、子どもの安全を守るという目的があります。特に象徴的なのが「箱ブランコ」と呼ばれる遊具の撤去です。

以前、児童公園などにあった「箱ブランコ」。そういえば見なくなりました。

箱ブランコは、乗る部分が箱型になっており、複数の子どもが向かい合って乗ることができる構造でした。高度経済成長期から2000年代初めまで全国の公園でよく見られた遊具ですが、重大な事故が相次いだことで撤去が進みました。

死亡事故も起きて

特に1997年の事故をきっかけに調査してみると、頻発していたのは、子どもの頭や足がゴンドラ部分と支柱の間に挟まれてしまうという事故でした。

その後さらに精査していくと、1960-2001年で死亡事故23件、重傷事故49件にも膨らみました。(『論座』2002年10月号「箱ブランコ裁判5年間の軌跡」による)

重く勢いのある箱型の座席は遊び方によっては、子どもをはさみ込む危険性があることが分かったのです。自治体や遊具メーカーは安全性を重視し、順次撤去していきました。