石川県輪島市と舳倉島を結び、能登半島地震のあと運休が続いていた「へぐら航路」が30日、およそ1年7か月ぶりに運航を再開し、島民らおよそ50人が定期船「希海(のぞみ)」に乗船しました。
舳倉島と輪島港を片道およそ1時間半で結ぶ「へぐら航路」は地震前、1日1往復運航されていましたが、海底が隆起して船が接岸できなくなったため、地震後は運休が続いていました。隆起した海底を掘り下げ、仮の桟橋を設置する工事が完了したことから、30日に定期船「希海」の運航が再開されました。

輪島港では30日午前9時前、島民や市職員らおよそ50人が船に乗り込み、舳倉島へ向けて出港しました。当面は週に1往復運航し、乗船は島民や復旧作業の関係者に限られます。
舳倉島は輪島港の北およそ50キロ沖合に位置する1周およそ5キロの離島で、海士漁の拠点となっています。

去年1月1日の能登半島地震では震度5弱を観測し、およそ6メートルの高さまで津波が遡上しました。およそ50人の島民のほとんどは冬の間、本土で生活していますが、地震後は島に戻れない状態が続いていました。
地震発生からおよそ1年7か月が経過した今も復旧はほとんど手付かずの状態で、定期航路の再開で今後復旧が進むことが期待されます。
