広島市の平和公園のそばを流れる、元安川と本川の高潮対策について検討する委員会が開かれました。

委員会は、中国地方整備局太田川河川事務所が元安川と本川の高潮対策を進めるために去年から開いていて、今回が3回目です。

河川工学や文化財などの専門家が、景観や観光面への影響に配慮した整備方法について議論しました。

平和公園周辺には、原爆ドームのほか、慰霊碑や樹木などがあります。ただ地盤が低いため高潮などで浸水被害を受けやすく、最大で2m程度のかさ上げが必要ということです。

国土交通省 中国地方整備局 太田川河川事務所 金銅 将史所長「干拓だとか埋立てで土地が形成されてきたということで、高潮被害を受けやすい」

河川事務所の整備原案によりますと、▽原爆ドームのそばは敷地の一部を10㎝程度、かさ上げします。▽ほかのエリアでは平和公園の歩道や護岸、川沿いにある一部の慰霊碑もかさ上げします。▽樹木は可能な限り残します。

委員からは、昔ながらの船着き場=「雁木」は保存すべきなどの意見が出ました。

平和公園 高潮対策検討委員会 副委員長 広島大学(河川工学)内田龍彦 教授「こういう貴重なものがここにありますよとか、せっかく改修するので今よりもっと良いものになるような具体的なアイデアが結構出たかなと思っています」

河川事務所は整備原案を公表し、9月から一般の意見を募集することにしています。