美味しさの秘密は「水」と「餌」にあり

美味しいサーモンを育てるポイントについて木村さんは、「近年は温暖化が進み、冷たい水を供給できる川が少なくなっています。ここは減流域、山の奥の奥なので汚染されていない綺麗な水を大量に供給できるんです」と説明します。

養殖場では、段差を設けることで水に多くの空気を入れ込み、魚たちが楽に呼吸できるよう工夫されています。魚は水中からしか酸素を取り込めないため、この工夫が重要なのです。

さらに餌へのこだわりも特徴。青森県産のりんごとにんにくを飼料に混ぜ込んで給餌しています。

木村さんは「魚が健康になること、そして味に甘みが出ること、これは間違いないですね」と話します。

りんごの木とサーモンの出会いがもたらした革新

これまで青森県内限定で販売されてきた『青い森紅サーモン』。県外へも広めたいという思いから、木村さんと十和田市で林業を営む折舘社長がタッグを組みました。販路を広めるために行ったこととは?

Ai and Forestry(株)折舘 社長

Ai and Forestry社長 折舘 直さん
「りんごの木を剪定や伐採した時に、捨てているのがもったいないと思いました。SDGsの観点からも廃材で何かできないかと考えた時に、青い森紅サーモンに青森のりんごの木を使って煙をまとわせたスモークサーモンができるのではないかと思って取り組みました」

伐採され廃棄されてしまうりんごの枝を再利用しチップ加工。燻製することで保存性が高まり販路拡大へ。
こうして今年4月に誕生したのが『青い森紅サーモン アップルスモーク』です。

早速試食してみると…

俵谷アナ
「華やかなフレッシュなフルーティーな香りがします。ウイスキーやワインが欲しくなりますね」

折舘社長は「このアップルスモークは、青い森紅サーモンに合うりんごの木のチップで燻製したということで、非常に芳醇でフルーティーな味わいが特徴です。お子さんも食べられるような味わいになっていると思います」と自信を見せます。

青い森紅サーモン 生産・販売対策協議会の木村さんも「スモークというのは、脂が強い魚に入りづらいという特徴がありますが、淡水で育てられた青い森紅サーモンは脂が控えめなので、燻製との相性が抜群なんです」と補足します。

青い森紅サーモン 生産・販売対策協議会 木村 会長

まさに出会うべくして出会った青い森紅サーモンとりんごの木。廃棄される予定だったりんごの枝を再利用することで、保存性が高まり、販路拡大につながる革新的な商品が誕生したのです。

では実際に、どのように調理されているのでしょうか?青い森の紅サーモンを使った注目メニューを紹介します。